2013年2月6日

香川大発の「地域継続計画・DCP」作成をめぐる取り組み レジリエンス協会が紹介

報告する磯打准教授
レジリエンス協会(林春男会長)が4日に開いた定例会で、香川大危機管理研究センターの磯打千雅子特命准教授が同大の進めている地域継続計画(DCP、ディストリクト・コンティニュイティ・プラン)作成に向けた取り組みを紹介した。組織単体での事業継続を目的としたBCPだけでなく、組織が集まって地域全体の事業継続を考える取り組みとして、各地域への広がりが期待されている。レジリエンス協会の黄野吉博代表理事によると、まだ日本では普及していない民間と公共による地域と連携した危機対応の規格「ISO22320」に通じるという。
 香川大では、文部科学省の助成を受け「四国地域大災害に対する危機管理教育研究の推進と地域防災拠点の形成事業」を2012年度から進めており、同大のBCP策定や危機管理専門職の養成のほか、香川県下の行政機関や建設業関係団体、地域コミュニティー、ライフライン事業者などで構成する「香川県DCP検討協議会」を設置し、DCPの策定を進めている。

面としての取り組み

 磯打特命准教授は、DCPについて「BCPは、大規模災害時にすべての業務を継続するのではなく、重要な業務だけを継続するための計画だ。だが、各企業・行政の重要業務が社会・地域にとって重要なこととは限らない。個々の集まりをつなげ、“面"として地域の継続力を強める必要がある」と説明。特に、「香川県は災害が少なく、南海トラフ巨大地震でも四国内の3県と比べて被害が少ない。インフラも恵まれており、3県の復旧を応援する拠点になり得る」と香川DCPの意味合いを強調。四国全域の防災基本戦略を策定する「四国東南海・南海地震対策戦略会議」の一環としても香川DCP検討協議会が位置付けられている。

地域へのインパクト

 これまでの協議会では、計画の対象地域を「高松市沿岸部」に限定し、地域インフラの復旧に着目して物流やライフライン、重要拠点など、継続計画の要素となる部分ごとに課題などを洗い出しているという。個別企業・行政のBCPと地域全体のDCPを連携させ、四国全体の復旧・復興の拠点になるための計画づくりを進めている。さらに、地域ごとの重要度と被害状況を数値化し、地図上に表現できる「地域インパクト分析(DIA)支援システム」を研究開発しているという。
 復旧の初段階となる地域インフラの復旧のためには「作業員や機械を持つ建設業が地域で果たす役割が非常に重要だ」との認識で、大学や四国内の各県建設業協会、建設コンサルタンツ協会四国支部などで「建設業BCP懇談会」も設置。重要な役割を担う建設業のBCP策定を支援している。
 香川のDCPは、3月末までに策定する予定で、13年度にはアクションプランと四国DCP骨子を策定する。14年度に四国DCPをまとめる見通しだ。
 このほか、建設コンサルタンツ協会四国支部と連携して行政のBCP策定を支援しており、香川大と徳島大では「防災教育指導教員」「被災者支援アドバイザー」「危機管理マネージャー」「危機監理技術者」「災害医療・メンタルヘルスコーディネーター」を養成するための危機管理教育講座を13年度から開設する。